なぜ「一人旅」は旅館で歓迎されなかったのか? かつては想像できない“恐怖”のイメージも…… SNS話題のネタを深掘りする
宮城県の「温湯温泉 佐藤旅館」が一人旅の受け入れを積極的に発表し、SNSで2万5000の「いいね!」を集めた。かつては一人客が敬遠されたが、近年は受け入れ態勢が整っている。この流れは宿泊業界の変革を示唆している。
一人旅歓迎の新潮流
宮城県北西部に位置する栗原市の「温湯(ぬるゆ)温泉 佐藤旅館」のSNS投稿が先日、話題になった。
同館が
「最近、一人旅のご利用が増えています」
として、1名一室プランを紹介したところ(7月31日)、2万5000を超える「いいね!」が集まり(8月30日時点)、予約が急増したのだ。
話題になった理由は、一人旅行者を心から歓迎する同館の姿勢にある。これまで多くの旅館ではビジネスホテルとは異なり、一人客を断ったり、一人用のプランを用意していないことが多く、一人客の受け入れを敬遠する風潮が強かった。そのなかで、この姿勢が高く評価されたのだ。
本稿では、かつて多くの宿泊施設で一人旅の客が敬遠されていた背景と、現代の一人旅の動向について、2回にわけて紹介する。