「生活路線」が生む、深い旅の感動【リレー連載】現代人にとって旅情とはなにか(2)
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- 鉄道, 旅行, 路線バス, 現代人にとって旅情とはなにか
路線バスは、都市や地域の実情を知るための貴重な情報源であり、地域住民や運転士との自然な交流が旅情を生み出す。だが、モータリゼーションの進展や路線バスの廃止が進む中で、こうした機会は減少している。この記事では、筆者が経験した独自のバス旅と観光列車との違いを通じて、自然な交流の重要性を探る。
人工的な交流場に潜む限界

一方で、鉄道の活性化を目的に、各地で既存車両を改造した観光列車が運行されるようになった。
筆者も観光列車に興味があり、公私ともに多くの列車に乗車している。観光列車では、車内で現地の食材を使った食事を楽しんだり、途中駅で地元の人たちが歓迎してくれたり、伝統芸能を披露してくれることが多い。
観光列車では、路線バスとは違って限られた時間ながらも、地域の人たちと交流する場が設けられている。ただし、停車時間が短く、業務として参加していることが多いため、自然なコミュニケーションをじっくり楽しむのは難しい。観光列車の場合、あくまで
「人工的に作られた交流の場」
に過ぎず、路線バスのように自然な会話のキャッチボールが生まれる環境とは違う。こうした環境の変化で、土地の実情を深く知るきっかけが減ってしまっているのは、本当に残念だ。