補助金という“麻薬”に頼らない経営戦略を目指せ【短期連載】希望という名の路線バス(3)

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バス事業者の96%が赤字経営だが、岡山の宇野バスや東京の銀河鉄道は補助金に頼らず自立経営を実践し成功している。自助努力と独立自尊の精神で生まれるユニークなアイデアが、経営改善と地域貢献につながっている。

日本初の運賃引き下げ実現

路線バスのイメージ(画像:写真AC)
路線バスのイメージ(画像:写真AC)

 宇野バスの岡山市中心部の運賃は、1998(平成10)年までは120円だったが、現在は100円に統一されている。運輸省(当時)に

「日本初の運賃引き下げ」

を申請し、注目を集めた。この値下げは、岡山市中心部および周辺地域~岡山市内の乗客誘致を目的としていた。その結果、計画通りに成功した。

 一方、2023年度、岡山市の路線バス無料デーでは、売り上げに相当する補助金を岡山市から受け取っていない。2022年度、宇野バスは一度、路線バス無料デーの売り上げに相当する補助金を受け取ったが、2023年7月と12月に宇野バス独自の無料デーを実施することで、補助金を事実上

「相殺」

した。同社は補助金なしで事業を継続している。その結果、リピーターが増え、恒常的なコスト削減努力につながっている。

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