ウクライナ侵攻は自動車産業も直撃 現在ドイツで不足する「自動車部品」とは?

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ロシアによるウクライナ軍事侵攻が、ドイツの自動車産業を直撃。ウクライナにある車両部品工場が、軍事衝突により停止している。

コロナとウクライナ侵攻のダブルパンチ

ドイツ国旗(画像:写真AC)
ドイツ国旗(画像:写真AC)

 ドイツの自動車業界は2021年、2020年と新型コロナウイルス感染拡大による移動制限やサプライチェーンの機能不全に苦しめられた。

 さらに2022年に入り、ロシアによるウクライナ軍事侵攻がドイツの自動車産業を直撃している。

 というのも、ウクライナにある車両部品工場が軍事衝突により停止してしまっているからだ。

 今回は、ドイツで不足する自動車部品についての状況を見ながら、今後について考察する。

主な自動車工場が稼働停止に

ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレのウェブサイト(画像:ドイチェ・ヴェレ)
ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレのウェブサイト(画像:ドイチェ・ヴェレ)

 ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレ(DW)によると、ロシアによるウクライナ軍事侵攻の影響が

・メルセデスベンツ
・BMW
・フォルクスワーゲン
・ポルシェ
・アウディ

などのドイツの自動車産業を直撃、ドイツ国内の主な自動車工場が操業停止になっている。3月3日時点での各社の現状、および見通しは以下のとおりだ。

・メルセデスベンツ:ウクライナからの部品に依存しているものの、生産調整回避の取り組みを精力的に行っている。しかしながら、来週から生産計画の見直しが必要になる。

・BMW:週の半ばから生産調整と一部モデルの生産中止を始めた。

・フォルクスワーゲン:ドイツ東部にある2か所の工場で短時間勤務を実施している。また、ヴォルフスブルクの主力工場においても生産調整が始まり、再来週には完全に操業停止する見込みである。

・ポルシェ:ライプツィヒの組み立てラインを来週末まで操業停止した。なお、ツッフェンハウゼンの主力工場において生産を維持する予定であるが、材料調達には予断を許さない状況とのことである。

 このように、ドイツの自動車産業はウクライナからの部品の供給停止により、大きなダメージを受けている。それでは一体、どの自動車部品の供給が滞っているのだろうか。