小田急が注力 箱根の観光型MaaSの現在地、「EMot」「箱根ナビ」の未来とは

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箱根エリアで、2021年10月から観光型MAASが本格的に始動した。従来の「箱根ナビ」を大幅にリニューアルし、さまざまな電子チケットが購入できる。

観光型MaaSとは何か

箱根のイメージ(画像:写真AC)
箱根のイメージ(画像:写真AC)

 観光型MaaS(マース)が2021年10月、箱根エリアで本格的に始動した。

 MaaSとは「Mobility as a Service(サービスとしての移動)」の略語で、自動車などの移動手段を、必要なときだけ料金を払い、利用することを意味する。そのなかでも観光型MaaSは、

・観光客の回遊性の向上
・訪日外国人の観光体験の拡大/向上

を目的としている。

 観光型MaaSを実現させる具体的な手段としては、

・ユーザー行動に基づく最適なルート/プランの提案
・プランに基づく旅行先でのチケットレス化/キャッシュレス化

などがあるが、箱根の観光型MaaSでは何が、どの程度できるようになったのか。今回はそれらについて解説していく。

2種類ある「箱根MaaS」

箱根ナビのウェブサイト(画像:小田急箱根ホールディングス)
箱根ナビのウェブサイト(画像:小田急箱根ホールディングス)

 インターネットで「箱根MaaS」と検索すると、

・箱根ナビ
・EMot(エモット)

という単語が上位に表示される。そもそも、両者の存在やサービスの違いを知らない人も多いと思われるので、まずは簡単に説明しよう。

「箱根ナビ」は箱根の観光情報を掲載しているウェブサイトで、小田急箱根ホールディングスが運営している。小田急箱根ホールディングスは、小田急グループの主要事業エリアである箱根で効率的な経営体制を確立するために

・箱根登山鉄道
・箱根登山バス
・箱根観光船
・箱根ロープウェイ

といったグループ各社が一体となり、2004(平成16)年に発足している。

 今回、上記4社がそれぞれ独立していたウェブサイトを統合し、情報を一元化して提供できるよう、箱根ナビをリニューアルした。リニューアル後は、

●2021年10月発売
・デジタル箱根フリーパス
・登山電車/ロープウェイ「デジタル大涌谷きっぷ」
・登山バス/海賊船「デジタル芦ノ湖きっぷ」
・箱根登山電車1日乗車券「デジタルのんびりきっぷ」
・デジタル箱根のりものパス Lite
・デジタル海賊船/ロープウェイ乗り放題パス
・デジタル海賊船乗船券 片道/往復
・デジタルロープウェイ乗車券 片道/往復
・箱根湯寮 お気軽温泉チケット
・箱根湯寮 湯寮満喫チケット

●2021年11月発売
・デジタル芦ノ湖ライナー

●2021年12月発売
・箱根遊び放題チケット(はこチケ)
・箱根フリーパス「はこチケ」プラス

といった、13種類のチケットが購入できるようになった(電子チケット含む)。

「EMot」とは何か

「EMot」のウェブサイト(画像:小田急電鉄)
「EMot」のウェブサイト(画像:小田急電鉄)

「EMot」は小田急電鉄のアプリで、2019年から実証実験が始まっている。

 電車やバス、タクシー、シェアサイクルなどを組み合わせた複合経路検索が行えるほか、前述のデジタル箱根フリーパスや飲食のサブスクリプションなど、さまざまな電子チケットを購入できる、とサイトにはある。

 また、EMotは箱根周辺の

・自動車による渋滞
・箱根湯本の人の集中による混雑

の解決や、小田急線の沿線住民の生活改善も目的としている(特に川崎市・新百合ヶ丘周辺の道路混雑緩和など)。加えて、神奈川のみならず、静岡や東京、秩父、沖縄などのチケットも購入できる。

 このようなことからも、インターネットで「箱根MaaS」と検索して、箱根ナビとEMotが出てきたのはごく自然だといえる。