小田急が注力 箱根の観光型MaaSの現在地、「EMot」「箱根ナビ」の未来とは
新宿から2日間乗り降り自由で6100円
これらの箱根MaaSを使って、何が、どの程度できるようになったのか。
まず大きく変わったのは、前述のデジタル箱根フリーパス、デジタル箱根のりものパス Liteといった、さまざまな電子チケットが購入できるようになったことだ。
特にデジタル箱根フリーパスは、新宿から2日間乗り降り自由で6100円。さらに約70のスポットが優待・割引になるサービスも付いており、利用方法もスマートフォンを提示するだけでよい。
また、2021年12月1日から2022年2月28日までの期間限定だったが、「はこチケ」という箱根フリーパスも販売された。
はこチケは、箱根の美術館や温浴施設、アクテビティなどの22の施設が何度でも利用できるサブスクリプションサービスで、デジタル箱根フリーパスとのセットも販売された。はこチケは現在終了しているが、近いうちにリニューアルして販売されるのは確実だろう。
EMotを使ってみたところ……
前述の通り、EMotは電車やバス、タクシー、シェアサイクルなどを組み合わせた複合経路検索が行えるとされている。
そのため、実際にどこまでできるのか行ってみた。残念ながらGoogleマップの結果とほとんど変わらず、シェアサイクル、オンデマンドバスなどのオプションはあまり表示してくれなかった。
EMotには「検索」のほか、「レンタカー」「デマンド交通」「カーシェア」といったそれぞれ個別のタブがあり、それぞれ検索できるものの、それらを統合して経路検索できるところまでは現時点で準備が整っていないようだ。
また、検索結果からそのままスマートフォン上でタクシーやレンタカーなどを手配したり、観光地のチケットを購入したりするなどのキャッシュレス化・チケットレス化にも対応していない。
EMotのサイト上には「モビリティによっては経路検索結果からそのまま手配可能 機能は続々アップデート予定」と記されているので、今後のアップデートに期待したい。
つまり、2022年3月時点では、個々のニーズにあった検索結果を提示し、その検索結果で提示された交通費・入場料・宿泊費などすべてをスマートフォンで支払ったり、ユーザー行動に基づいた最適なルートやプランを提案したりといった、いわゆるMaaS特有の機能までは装備されていない。