民営化の公約「楽しい旅行をつぎつぎと企画します」は結局、守られたのか?【短期連載】国鉄解体 自民党「1986年意見広告」を問う(3)

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国鉄分割民営化後、JR各社は観光列車や募集型企画旅行を通じて観光振興に努めている。しかし、鉄道の定期利用は若年層の減少で低迷しており、通勤利用者の増加が必要だ。

自民党の1986年意見広告

団体専用列車として土佐くろしお鉄道阿佐線に乗り入れた予土線キハ32形3鉄道ホビートレイン。和食(わじき)駅で2015年10月24日撮影(画像:大塚良治)
団体専用列車として土佐くろしお鉄道阿佐線に乗り入れた予土線キハ32形3鉄道ホビートレイン。和食(わじき)駅で2015年10月24日撮影(画像:大塚良治)

 国鉄分割民営化の前年の1986(昭和61)年5月22日、自民党は全国紙に意見広告を出した。それは、国鉄分割民営化後の懸案事項に関して不利益がないことを「公約」したものであった。意見広告に明記された公約は次の六つである。

●民営分割 ご期待ください。
・全国画一からローカル優先のサービスに徹します。
・明るく、親切な窓口に変身します。
・楽しい旅行をつぎつぎと企画します。

●民営分割 ご安心ください。
・会社間をまたがっても乗りかえもなく、不便になりません。運賃も高くなりません。
・ブルートレインなど長距離列車もなくなりません。
・ローカル線(特定地方交通線以外)もなくなりません。

 連載3回目となる本稿では、「楽しい旅行をつぎつぎと企画します。」について再考する。果たしてこの公約は守られているのだろうか。

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