北西ヨーロッパへ侵攻 「ノルマンディー上陸作戦」成功のカギはいったい何だったのか

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「史上最大の作戦」と呼ばれる「ノルマンディー上陸作戦」では、ロジスティクスが重視された。しかしそれは、作戦成功のカギではなかったとの指摘がある。

ノルマンディーへの道――ロジスティクス

 15万人もの戦力を、海を越えて敵地に上陸させるために必要とされるロジスティクスの側面での準備の難しさは、容易に想像できるであろう。

 当時、兵士1人について1日当たり銃弾96発、糧食3kg、水9Lが必要とされ、2週間ごとに新たな消耗品の支給が必要とされたという(以下の記述は、「NHK BS世界のドキュメンタリー ノルマンディー上陸作戦のすべて」の内容に負うところが大きい)。

 つまり、毎月1tもの補給物資が必要であり、また兵士が1m進むごとに18人の支援チームが必要であるとされた。これには、炊事係や衛生係なども含まれている。さらに前線の部隊は、200日ごとにその全員を入れ替える必要もあった。

 こうして結局、計1800万tもの物資がアメリカから大西洋を越えて輸送されたといわれる。ここに、連合国軍側が「大西洋の戦い」で勝利したことの意味が理解できるであろう。

 こうしたロジスティクス面での必要性の結果、ノルマンディー上陸作戦の実施に際してはドイツ占領下フランスの港湾を占領することに加えて、2つの人工埠頭「マルベリー」の建造が不可欠とされたのである。

 この埠頭はそれぞれ、一度に75隻の艦船が接岸できたという。マルベリーは既に上陸作戦の半年前からイギリスで建造が始まっていた。同国からは輸送船に乗せることなく、えい航して運んだ。基本は大きなコンクリート・ブロックであり、これを用いて桟橋や防波堤を現地で組み立てたのである。

 このように、ロジスティクス面での計画と実施には、連合国軍の技術力と工業力、さらに農業生産力が総動員されたのであり、まさに「総力戦」であった。

 だがその一方で、連合国軍の周到なロジスティクス計画がかえって裏目となり、作戦そのものが破綻する直前であったとの厳しい評価があることもまた事実である。

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