北西ヨーロッパへ侵攻 「ノルマンディー上陸作戦」成功のカギはいったい何だったのか

キーワード :
, ,
「史上最大の作戦」と呼ばれる「ノルマンディー上陸作戦」では、ロジスティクスが重視された。しかしそれは、作戦成功のカギではなかったとの指摘がある。

ノルマンディーへの道――技術力

 それでは以下で、この上陸作戦を成功に導いたさまざまな要因について考えてみよう。

 最初に技術力であるが、ノルマンディー上陸作戦に際して連合国軍は、兵器はもとより、弾薬や車両などの必要数を細かく計算し、これらを集積、さらにはこれらを目的地まで輸送するための大規模なシステムをつくり上げることに成功した。まさに、「システム・エンジニアリング」の勝利であった。また、オペレーションズ・リサーチ(OR)の手法が上陸作戦計画の立案に用いられたという。

 より具体的には、例えば作戦に用いられた上陸用舟艇は基本的には木造であったが、これはヒギンズの発案であった。また、人工埠頭(ふとう)「マルベリー」の組み立ては、連合国側の技術力の勝利を明確に示すものであった。

 ディエップ上陸作戦の教訓、すなわち陸揚げされた通常型の戦車が海岸で全く運用できないとの苦い経験は、いわゆる「特殊戦車」を開発する契機となった。そして、その中心人物がイギリス陸軍のパーシー・ホバートであった。ホバートは、既に1930年代からイギリスにおける戦車および機甲戦の推進者としてその頭角を現していた。そして彼の創造力の結果として、水陸両用戦車、地雷処理戦車、火炎放射戦車などの特殊戦車が開発されたのである。

全てのコメントを見る