「庶民の街」 東京・大山で進む再開発! 池袋5分なのに“未開拓” 「坪65万円上昇」が映す東上線沿線の異変
定期利用12%減という衝撃。苦境の東武鉄道が池袋至近の「大山」に投じる1200億円は、鉄道経営を一新する号砲だ。地価が5年で坪65万円急騰するなか、目指すのは輸送効率から住民支出の拡大への転換である。伝統の商店街文化と巨大資本が火花を散らす再開発は、人口減少下の沿線ビジネスにどのような解を示すのか。
沿線価値再編の縮図

ハッピーロード大山商店街(東京都板橋区)をめぐる再開発は、東武東上線の池袋近接区間で進む都市更新の縮図といえるだろう。行政は防災性の向上と駅前整備を急ぎ、鉄道会社は高架化によって沿線の価値を底上げしようとしている。そこに、都心へ極めて近い立地ながら未開拓の場所が残る点に目をつけたデベロッパーが加わる。
戦後、駅周辺に集まった100軒を超える闇市から発展を遂げたこの地は、1931(昭和6)年の開業以来、独自の歩みを刻んできた。今回の動きの本質は、これまで大量輸送の効率ばかりを追求してきた鉄道経営のあり方が、大きく変わろうとしている点にある。沿線で暮らす人たちの生活全体に深く関わり、ひとりひとりの支出を広げることで、事業全体の収益性を高めていく狙いが見て取れる。
池袋の再開発が進み、都心へのアクセスがこれまで以上に重視される市場の流れのなかで、大山の事例は、これから東上線沿線のあちこちで起きるであろう駅前再編の先駆けとなっていくはずだ。