ドライバー業界の行政処分、半数近くが「点呼違反」だった! もはや異常事態か、人手不足の現場を救う新制度とは

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運送会社などの自動車運送事業者には、乗務前後に点呼を行う義務がある。だが人手不足に悩む事業者にとって、点呼要員を確保するのは簡単ではない。その打開策として期待される自動点呼について考えよう。

突然怒鳴り出したドライバー

 問題は点呼である。

 プロドライバーにあるまじきことだが、問題のドライバーは、明らかに睡眠不足の様子で出社することがたびたびあったと言う。本人いわく、ネットゲームにハマっているそうなのだが、運転には問題がないと言い張ってきた。

 ある日、問題のドライバーがアルコールチェックを行ったところ、アルコールが検知されたことがあった。「出社を認められません」と配車担当者が言ったところ、問題のドライバーが烈火のごとく怒り出したというのだ。

「仕事はどうするんだ!」「客は荷物が運ばれるのを待っているんだぞ!」、挙句の果てに、「じゃあお前が配送に行ってこいよ!」と数十分にわたり怒鳴られ続けたという。

 恐怖を感じた配車担当者は、問題のドライバーの出社を文字通り泣く泣く認めたという。

 この運送会社では、ディスカウントストアで購入した数千円のアルコールチェッカーを使っていた。したがって、問題のドライバーからアルコールを含んだ呼気が検知された事実は記録として残らない。

 もし、ロボット点呼を含む専用のアルコールチェック機器をこの運送会社が導入していたら、アルコールが検知された事実は記録として残され、このようなごまかしは避けられただろう。

 さらに言えば、自動点呼が実現したら、不埒(ふらち)なドライバーに点呼担当者が怒鳴られるような事態も避けられる可能性が高い。

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