ドライバー業界の行政処分、半数近くが「点呼違反」だった! もはや異常事態か、人手不足の現場を救う新制度とは

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運送会社などの自動車運送事業者には、乗務前後に点呼を行う義務がある。だが人手不足に悩む事業者にとって、点呼要員を確保するのは簡単ではない。その打開策として期待される自動点呼について考えよう。

ロボット点呼のメリットとは

ドライバーのイメージ(画像:写真AC)
ドライバーのイメージ(画像:写真AC)

「そうか、まだ自動かつ無人で行える点呼は実現していないのか……」。そうがっかりする読者もいるだろう。

 ナブアシスト 営業統括部 ロジスティクス営業部 部長 飯田三起也氏も、「無人化、全自動化への要望はとても高いです」と話す。

 現在のロボット点呼は、あくまで点呼業務に対する支援機器の位置づけではあるが、現状でもロボット点呼のメリットはある。

・点呼担当者(運行管理者)の省力化が実現する。
・点呼記録簿を確実に作成することができる。

 筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)は、ロボット点呼における一番のメリットは「ごまかしが効かない」ことだと考えている。

「ドライバーが怖いんですよ」──。10年ほど前のことだが、ある運送会社の配車担当者から相談を受けたことがある。彼は、トラックの運送スケジュールを計画立案する配車業務を行いつつ、運行管理者としてトラックドライバーに対する乗務前後の点呼も行っていた。

 配車担当者いわく、ことあるごとに、あるドライバーから怒鳴られているというのだ。

「あいつの方が、楽な仕事を回してもらっている」という配車に対する文句もある。だが、配車に関しては、極論、問題のドライバーをひいきするようにすれば、とりあえず怒鳴られることはなくなる。

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