ドライバー業界の行政処分、半数近くが「点呼違反」だった! もはや異常事態か、人手不足の現場を救う新制度とは
運送会社などの自動車運送事業者には、乗務前後に点呼を行う義務がある。だが人手不足に悩む事業者にとって、点呼要員を確保するのは簡単ではない。その打開策として期待される自動点呼について考えよう。
来年1月からスタート 自動点呼とは

2023年1月から、乗務後に限り自動点呼が行えるようになる。自動点呼とはごく簡単に言えば、これまで人による対面実施が義務付けられてきた点呼業務を、専用の機器によって無人で行うことができるようにする制度である。
自動点呼の説明をするには、ナブアシスト(群馬県前橋市)が開発してきたロボット点呼から説明をするべきだろう。
ナブアシスト社のロボット点呼「tenko de unibo(ユニボ)」は、高さ40cmほどで、カウンターなどにちょうど据え付けられる……というか、ちょこんと座らせることができるサイズである。顔部分がタッチパネル型のディスプレイで、額部分にはカメラが設置されている。
ユニボくんとあえて君付けしたくなる親しみのわく風貌だが、点呼に関する機能は完璧だ。本人確認、アルコールチェック、免許証チェック、体調管理、日常点検の状況確認や、指示伝達事項の確認など、点呼に必要な手続きを全てこなすことができる。
ユニボくんは、制御用PCを介して免許書用のICカードリーダー、アルコールチェック機器、血圧計、体温計などの他機器を接続することも可能である。またキーボックスと連携することで、そのドライバーに割り当てられた車両の鍵だけを受け渡すこともできる。
現在は法令の関係で、ユニボくん単独での点呼は許されていない。最後に運行管理者が点呼内容を確認する必要があるのだ。
2023年1月からは、乗務後点呼に関してのみ、ユニボくんのような専用機器を用いた自動点呼が可能となる。乗務前点呼に関しては、現在実証実験を重ねており、2024年1月から許可される見込みである。