公共交通を潰し続ける日本 復興のカギは欧州交通計画「SUMP」にあった!

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鉄道事業者から値上げの申請が相次ぐ日本の公共交通。しかし筆者は、公共交通が「収益事業ではなく、まちづくりのひとつのツール」だと指摘する。

日本の交通計画に求められる「SUMP化」

「持続可能な都市モビリティ計画の策定と実施のためのガイドライン」(画像:地域公共交通総合研究所)
「持続可能な都市モビリティ計画の策定と実施のためのガイドライン」(画像:地域公共交通総合研究所)

 日本でも、2020年に改正された「地域公共交通の活性化および再生に関する法律(活性化再生法)」の下、地域公共交通計画の策定が自治体の努力義務となった。

 同法の「まちづくり施策や観光の振興に関する施策と連携」という趣旨にのっとったもので、日本でもまちづくりの観点から交通計画を策定するということが真剣に求められるべきである。

 しかし、国土交通省の手引書を読むと、「既存の公共交通サービスを最大限活用」が強調され(国土交通省「地域公共交通計画等の作成と運用の手引き」)、目先の運輸事業をやりくりしながら取りあえず続けることに重きが置かれている。KPI(キイパフォーマンス指標)を用いて計画を遂行するという考え方はあるが、その指標も収支率など、事業の効率性が中心であって、まちづくりという発想が弱い。

 SUMPは欧州委員会の指針だが、「違う世界のもの」と忌避してはいけない。今の日本のやり方では、公共交通の利用者が減るだけではなく、環境制約や高齢化社会などの問題に対応できないまま、都市・地域が衰退していく。

 学べることを学び、日本の交通計画を「SUMP化」していく必要がある。

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