函館線「小樽~長万部」廃線に漂う暗雲 全線「バス転換」は本当に賢い判断か

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北海道新幹線の2030年札幌延伸にともない、小樽~長万部間の函館線が廃線となる。バス転換で代替も黒字化には暗雲が漂っている。

自治体の温度差が明確に

小樽~長万部間の函館線(画像:(C)Google)
小樽~長万部間の函館線(画像:(C)Google)

 北海道新幹線の2030年札幌延伸にともない、JR函館線の小樽~長万部間が経営分離される。沿線の9自治体で実施していた、

・並行在来線
・バス転換

について話し合う北海道新幹線並行在来線協議会は、2022年3月27日の会合で、協議の続いていた小樽~余市間のバス転換を決定した。これによって小樽~長万部間の函館線は廃線となる。

 並行在来線となる小樽~長万部間の存続は、ルートと駅が公表された1998(平成10)年から話題になってきた。当時から既に、札幌~函館間は千歳(ちとせ)線・室蘭本線がメインルートとなっており、小樽~長万部間は不採算路線で、自治体が負担して並行在来線を維持するのは困難と見られていた。

 2008年に札幌延伸が本格化すると、沿線自治体の温度差はより明確になっている。

『北海道新聞』2008年12月17日付朝刊では、札幌延伸に対する沿線自治体首長のコメントを次のように伝えている。

「「新幹線に懸けている。登別、洞爺湖方面に乗り換えする人が増え、工事関係者も来てくれる」。渡島管内長万部町の白井捷一町長はほっとした表情を見せた。かつては鉄道のマチとして栄えた同町も、いまや人口六千七百人。交通の要衝として復活し、「市への昇格も夢ではない」と夢を語る町民もいる。停車駅のできる沿線自治体の反応はさまざまだ。後志管内倶知安町の福島世二町長は「首を長くして待っていた」と歓迎した。一方、小樽市の山田勝麿市長は財源問題などでの不安から「一層の要望活動を進めたい」と慎重に言葉を選んだ。今回、着工区間から外れた渡島管内八雲町の川代義夫町長は「一括で認可してほしかった」。複雑なのは後志管内余市町。新小樽-倶知安間で通過地点となってしまい、将来的に函館線の廃止問題に発展しかねない。上野盛町長は「新幹線が大動脈なら、並行在来線は指先まで走る血管だ」として鉄路の存続を求めた」

 新幹線駅ができる街では発展の希望が大きい一方、それ以外の自治体では路線の維持を求める声が大きかった。