自動運転が普及すると「雇用危機」「CO2増加」を招く? 世界の最新動向とは
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自動運転の走行試験
自動運転車の試験走行により2016年と2018年に2件の致命的な事故が発生。この事故により人工知能が人間の替わりに判断を下すことへの懸念が生じ、実証試験の範囲が論争になっている。
ランド研究所は2016年、自動運転車の性能が人間の運転性能と同等か否かを検証するのに必要な走行距離を2億7500万マイル(4億4000万km)と推定した。路上走行では数十億時間に相当する。
自動運転車が遭遇する状況、天候の変化や様々な危険度など、変動要因が無限にあるからだが、これらを走行試験で確認することは困難で、シミュレーションが唯一の確認手段だ。
法規制の課題もある。
米国とは対照的に欧州では大規模な行動試験を法的に支援する環境がなく、EU加盟の数か国だけが政策を導入している。ドイツでは新たな法規が認可され2022年までには自動運転車が普通に運行できるようになる予定だが、試験あるいは試験のための法制度は世界的に統一されていない。
自動運転と半導体産業
データとソフト供給、センサーとカメラ装備、コネクティビティーを利用するためのインフラ供給も重要だが、最も重要なのは半導体と電子産業だ。
ローランドベルガーは、車全体に占める電子部品の割合は、2019年エンジン車の19%から2025年BEVの35%に増えると予測しており、この比率を適用すると2030年には更に50%まで高まると予測する。
半導体製造企業がバリューチェーンの上流でチップの機能統合を進め、自動車用ソフトを供給する可能性もあり(例えばインテルのモービルアイ)、既存のサプライヤーは自社の役割を再考する必要に迫られる。
電子機器のバリューチェーンは大規模にグローバル化されつつあり、半導体製造工場のほぼ80%がアジアに集中する。技術的に高度な電子機器市場は米国企業が支配しているが、新型コロナウイルス感染拡大と米中貿易摩擦により半導体の納期が大幅に伸び、車の生産が減少している。
IHSは2021年9月、世界の2022年の小型車販売台数を2019年比で7%下回る8260万台と下方修正、完全回復は2023年以降との見通しを示した。
台湾の半導体サプライヤーTSMCの会長はもっと楽観的だが、自動車用半導体チップの製造に必要な時間を考慮すると、供給が追いつくには2021年いっぱい掛かると予測している。