トラックドライバーが絶望的に足りない! 給与・待遇で大きな企業間格差、いま採用現場で何が起きているのか?
トラックドライバーをめぐる有効求人倍率は、2020年以降に低下がみられ、人手不足が解消しているかのように見える。しかし、こうした数字には表れないドライバー確保の難しさを現場は抱えている。前編・後編の2回に分けて紹介する。
15年間でドライバー3割減少との試算も

トラックドライバーの人手不足は、もはや社会課題となっている。2015年に76.7万人いたトラックドライバーは、2030年には51.9万人にまで減少するという試算もある。15年で24.8万人、約3割減少するとなれば、日本経済への影響は避けられない。
一方で、新型コロナウイルスの影響により、2020年以降、トラックドライバー採用における求人倍率は減少している。数字上では、トラックドライバーの人手不足感は、やや解消していることになるのだが……。
コロナ禍でやや下がった有効求人倍率

トラックドライバーの人手不足は、依然として深刻な状況にある。
だが、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降の「自動車運転の職業」(※トラックドライバーだけでなく、バス運転手なども含まれている)における有効求人倍率を見れば、それ以前よりもやや下がり、ドライバー不足感は解消傾向にあると見てとれる。
「自動車運転の職業」における2018年の有効求人倍率は3.00倍、2019年は3.14倍だが、以降2020年2.30倍、2021年2.15倍、2022年(※1月~3月)2.27倍と下がっている。
参考までに、全職業の有効求人倍率を挙げると、2018年1.41倍、2019年1.43倍、2020年1.08倍、2021年1.06倍、2022年1.16倍となっている。
2012年以降の推移を見ると、「自動車運転の職業」における有効求人倍率はずっと右肩上がりだったが、2020年に入り急速に落ち込んでいることが分かる。
だが、この有効求人倍率の推移だけを見て、トラックドライバーの人不足が解消に向かっていると考えるのは早計である。