自動運転が普及すると「雇用危機」「CO2増加」を招く? 世界の最新動向とは
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- 自動車, 自動運転, 海外情報, クルマ, デジタル化, デジタライゼーション, EU自動車産業の将来を読み解く
ハード指向からソフト指向に移行しつつあり、デジタル製品とサービスの重要性が増しているとされるヨーロッパの自動車分野。最新の動向を専門的見地からリポートする。
デジタル開発と支援ツール
デジタルによる開発支援の歴史も古く、第一世代の3次元設計支援ツールCADは1981年の実用開始後利用が急拡大し、現在ではあらゆる産業で常用されている。
設計諸元検討ツールであるCAEは、1960年2次元CADの誕生と同期して構造解析のソフト開発が始まり、1980年代には振動・熱・流体解析への適用が始まり、1990年代半ばからは設計者自身による利用が実現した。
最近では、CAEを大規模に活用し、開発期間と費用の削減を実現する開発方式として、モデルベース開発MBDが脚光を浴び「試作品を作ることなく(バーチャルに)開発できる」と誤解している人も多いようだ。
CAEの精度は主に解析モデル(数式)と数式に入力するデータの精度に依存する。解析モデル精度を向上するためには、実測値と解析結果との整合性確認(検証)を繰り返す必要があるため、試作の回数を減らすことはできてもゼロにはできない。
取り扱う現象が複雑になるほど、解析精度を高めることは難しくなり、物理・化学法則だけではなく統計力学的手法を併用することもある。
・入力値変化に対する結果変化の傾向把握
・相対比較による優劣判断
には利用できるが、絶対値を精度よく予測することは困難だ。
ノーベル物理学賞を受賞した真鍋博士が開発した気候モデルは、気象現象の研究には不可欠な優れたツールだ。
気候変動に関する政府間パネルIPCCはこの世界気候モデルGCM(Global Climate Model)を用いた解析結果を科学的根拠として、気温上昇2度以下という数値目標を設定したが、CAEの実力を知る技術者の多くは「CAEの使い方が不適切」と考えている。