自動運転が普及すると「雇用危機」「CO2増加」を招く? 世界の最新動向とは
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懸案事項:CO2排出量と雇用危機

GMの前副会長は、軽度な安全支援システムを装備するコネクティッド車CVは、制御用コンピュータチップと数多くのセンサーなどが多くのエネルギーを消費する、と言う。
ミシガン大学が、完全自動運転研究車に追加されたコンピュータやセンサーなどのエネルギー消費割合を調査した結果を上図に示す。
自動運転制御用ソフトウエアのコード行数はボーイング787の制御コード数の15倍に及び、作成には膨大な労働力を要す。
また米国再生可能エネルギー研究所NRELが、自動運転のCO2排出量への影響を試算した。
・ライドシェアリングが増加するためCO2排出量は6%低減する
・郊外への移住や、旅行距離の増大でCO2排出量は110%増加する
また、自動運転トラックは物流業界を混乱させるかもしれない。米国のトラック輸送は年間7000億ドルを売り上げ、350万人以上のトラックドライバー雇用されている。
運送業者は自動運転化で経費を削減してドライバー不足を解消したいが、トラックドライバーと組合は雇用を守るために自動運転の採用に反対している。
欧州の革新遅れ
今後ハードからソフトへの移行が高まり、それに要する革新的なデジタル技術開発能力が自動車産業にとって重要な競争力となる。
中国と米国が発祥のコネクティビティーおよび自動運転技術は過去10年間でVWグループ、ベンツ、BMW、長城汽車と現代が主導して急速に発展した。
EUの企業は同レベルの米国企業に比べてデジタル技術の採用が遅れており、自動運転技術の完成度ではイスラエル、革新性では米国や日本がEUより上位に位置する。
デジタル技術への投資
2020年の研究開発投資総額では、欧州自動車分野が588億ユーロと圧倒的に多く、上位10社にはVW、ベンツ、BMW、ボッシュとフィアットの5社がランクインするが、インターネット通信技術ICTに限ると米国と中国が欧州を上回る。
EUの自動車分野がデジタル技術に十分な投資を行うためには、分野内だけではなく、融資会社や投資家からの投資も重要だ。