なぜ京成高砂は「忍耐の街」と呼ばれるのか? 北総線乗り継ぎ6.2万人、スカイライナーすら速度を落とす現実とは

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京成高砂駅は乗降約9.7万人、北総線乗り換えが約6.2万人を占める京成の主要結節点だが、地上踏切と車両基地が重なり遮断が長時間化。高架化構想は20年以上進まず、成田空港アクセス強化とともに課題が拡大している。住民の諦めと期待が交錯する現場を歩く。

踏切制約と広域輸送の限界

京成高砂駅周辺の様子。筆者撮影(画像:宮田直太郎)
京成高砂駅周辺の様子。筆者撮影(画像:宮田直太郎)

 鉄道の利用状況から見ると、京成高砂の高架化や再開発は、すでに先送りできない段階にあるといえる。あくまで地域外に住む筆者の見方ではあるが、休日の昼過ぎでも踏切が2~3分しか開かない状況は、行き来そのものを難しくしており、駅をまたいだ日常の動きにも支障が出ている印象を受ける。

 さらに鉄道側の視点で見れば、低速で通過する列車が多く、成田空港や千葉ニュータウン方面への移動においても制約となっている地点である。

 高砂地区の高架化による踏切の解消や周辺整備は、今後複々線化が進むのであれば、避けて通れない事業になるだろう。ただし先の意見にもあるように、地域にとっての利点をきちんと生む形で進める必要がある。

 葛飾区には、耐震基準を満たさない区役所の移転やアーケード街の老朽化といった課題を背景に、土地利用の扱い、賃料、工事費、既存店舗の移転補償などをめぐって、住民と区側の対立が続く立石地区の問題がある。

 また高砂の隣にある青砥駅では、駅の立体化以外の開発が進まず、スカイライナーの一部が停車する主要駅でありながら、駅前の広場なども整備されないまま、区長が

「再開発は率直にいって失敗した」

と述べる事態にもなった。

 高砂の再開発や高架化は、こうした周辺地域の経緯や課題を踏まえて進める必要がある。地元の声に十分配慮しつつ、高砂地区と成田空港、千葉ニュータウン、そして京成沿線全体がともに前へ進める形が求められる。

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