なぜ京成高砂は「忍耐の街」と呼ばれるのか? 北総線乗り継ぎ6.2万人、スカイライナーすら速度を落とす現実とは
京成高砂駅は乗降約9.7万人、北総線乗り換えが約6.2万人を占める京成の主要結節点だが、地上踏切と車両基地が重なり遮断が長時間化。高架化構想は20年以上進まず、成田空港アクセス強化とともに課題が拡大している。住民の諦めと期待が交錯する現場を歩く。
需要増加と線路負荷の拡大

高砂の踏切には、他の踏切とは異なる深刻な事情がある。
それは、京成高砂駅を通る路線の利用が、この20年の間に大きく増えてきたにもかかわらず、高架化や再開発の話が思うように進んでいない点である。特に2010(平成22)年以降は状況が変わった。2010年7月の京成スカイアクセス線の開業をきっかけに、訪日外国人の増加や格安航空会社(LCC)の広がりが重なり、成田空港方面の利用が一気に増えた。
北総線についても、当初は運賃の高さから利用が伸び悩んでいたが、千葉ニュータウンの開発が進み、沿線でデータセンターなどの産業の集まりも進んだことで利用が増えた。さらに2022年以降は運賃の見直しにより、沿線の利用者が増え、通勤での利用も広がっている。
今後も押上から成田空港間で新たな特急の運行が見込まれ、成田空港の拡張による需要増も想定される。また、新鎌ヶ谷から印旛日本医大間の複々線化計画も動き始めている。こうした流れが進めば、京成高砂駅を通る列車はさらに増えることになり、高架化が進まない限り、踏切の遮断時間は今より長くなる可能性が高い。
高砂の踏切は、京成グループ全体や成田空港、千葉ニュータウン方面へのアクセスの中で、大きな通行の妨げとなる地点になる可能性があるといえる。