「野生のホンダ」再起動? 14年ぶり四輪赤字が浮き彫りにした「不合理の勝機」

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四輪事業が14年ぶりの赤字、1664億円の営業損失に沈んだホンダ。効率改善を掲げた2020年の「本社統合」をわずか6年で撤回し、開発機能を再び「研究所」へ分離する。EV関連で計7000億円の損失を織り込むなか、短期の合理性を捨て、中国勢に対抗すべく創業の原点である「技術の聖域」へ再起を賭ける背水の陣だ。

コスト管理の違い

2025年4月~12月期営業利益増減要因(四輪事業)(画像:本田技研工業)
2025年4月~12月期営業利益増減要因(四輪事業)(画像:本田技研工業)

 コスト面では、本社主導は年度ごとに予算枠が設定され、その範囲内で開発費を管理する。予算超過は原則抑制され、無駄な工数や研究費の膨張を防げる。この管理は赤字転落した四輪事業にとって重要で、計画どおりの進行で短期的な収益の説明責任を果たしやすい。

 本田技術研究所は独立法人として運営され、親会社から売上に応じた委託研究料が支払われる。2025年3月期には約2193億円の受託研究料が計上され、この資金で中長期の技術開発や探索的研究に投資できる。研究所は親会社の業績に左右されるものの、独立性があるため短期的な業績圧力から距離を置き、自由な発想で技術を試せる。

 とはいえ、四輪事業が赤字の状況下では、研究所への投資余力も無制限ではない。資金制約や経営判断の影響は避けられず、慎重な運用が求められる。それでもホンダが研究所への回帰を選んだのは、短期効率を犠牲にしても次世代技術の開発を優先する決断だ。米中の技術競争や次世代車戦略の圧力を前に、短期合理性より長期的な価値確保に重きを置く姿勢が表れている。

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