「豪華なサービスエリア」が物流を破壊する? トラック難民を生む根本理由――利益至上主義の背後で消える大型車スペースとは
本業で57億円の営業損失を出す一方、SA・PA事業の利益63億円が経営を支えるNEXCOの歪な構造。年間848万人を動員する商業化の成功の陰で、東名上りでは471台分の大型車枠が不足する事態を招いた。物流の2024年問題が直撃する今、利益追求の裏で機能不全に陥るインフラの公益性をどう担保すべきか。
問い直すべきインフラ責任

民営化から20年が経ち、SA・PAはすっかり華やかな商業空間に変わった。非料金収入が経営の柱となり、地域に活気をもたらした功績は小さくない。ただ、その陰で物流というインフラの基盤が、物理的な制約に直面している現実を見過ごすわけにはいかない。
利益を生む商業エリアへの投資が優先され、収益を生まない駐車スペースは後回しにされる。こうした資本の論理に基づく資源配分は、短期的には企業を潤すかもしれないが、長期的には物流網の滞りという形で社会全体に跳ね返る。利便性と効率性を追求するあまり、インフラの信頼性を損なう事態を招くことさえあるのだ。
これからの課題は、限られた空間の価値を正しく評価し、
「市場の力と公共的な役割を両立させる仕組み」
をつくることにある。全ての車両を同じように受け入れる発想は見直し、料金による需要調整や、用途に応じた空間配分を進めることが避けられない。商業部門で得た利益を物流環境の改善に還流させる循環を確立できなければ、この広大なネットワークの持続は難しい。
高速道路は、人を楽しませる場である前に、
「国の血流を支える生命線」
である。目先の収益に惑わされず、このインフラが果たすべき責任を問い直すことこそ、次の20年を生き抜くための出発点となるだろう。