「豪華なサービスエリア」が物流を破壊する? トラック難民を生む根本理由――利益至上主義の背後で消える大型車スペースとは

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本業で57億円の営業損失を出す一方、SA・PA事業の利益63億円が経営を支えるNEXCOの歪な構造。年間848万人を動員する商業化の成功の陰で、東名上りでは471台分の大型車枠が不足する事態を招いた。物流の2024年問題が直撃する今、利益追求の裏で機能不全に陥るインフラの公益性をどう担保すべきか。

通行料金では稼げない構造

料金所のイメージ(画像:写真AC)
料金所のイメージ(画像:写真AC)

 民営化後の高速道路は、上下分離方式で運営されている。道路資産は日本高速道路保有・債務返済機構が持ち、NEXCO各社はそれを借りて管理・運営する立場だ。この仕組みでは、通行料金から直接利益を積み上げる余地は小さい。料金収入は維持管理費や賃借料、つまり債務返済の原資に充てられるためだ。

 この制約は決算にも現れている。2024年度(2024年4月~2025年3月)、NEXCO東日本は通行料金収入が約8369億円に達したにもかかわらず、高速道路事業単体では営業損失(マイナス15億円)を計上した。NEXCO中日本も通行料金収入6871億円に対して営業損失(マイナス57億円)となっている。一方、SA・PA事業はいずれも黒字で、会社全体の利益を支えている。東日本は営業収益352億円、営業利益42億円、中日本は営業収益343億円、営業利益63億円を確保した。

 この差は、SA・PAが付け足しの存在から、経営を維持するための利益源へと変わった現実を示している。通行料金収入による成長が望めない状況では、非料金収入の最大化を判断の中心に据えるのは避けられない選択だった。その流れのなかで、SA・PAは「目的地化」していく。

 店の構成を高度化し、飲食や物販を充実させ、プライベートブランドを開発することで、客単価を引き上げる。高速道路は、もともと通過を促すインフラであるにもかかわらず、利用者の滞在時間を伸ばすことで利益を吸い上げる空間へと変化した。この変化は、

・公共としての使命
・市場論理

の間に摩擦を生む要因となっているのだ。

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