「豪華なサービスエリア」が物流を破壊する? トラック難民を生む根本理由――利益至上主義の背後で消える大型車スペースとは
本業で57億円の営業損失を出す一方、SA・PA事業の利益63億円が経営を支えるNEXCOの歪な構造。年間848万人を動員する商業化の成功の陰で、東名上りでは471台分の大型車枠が不足する事態を招いた。物流の2024年問題が直撃する今、利益追求の裏で機能不全に陥るインフラの公益性をどう担保すべきか。
投資対効果という壁

不足が明確であれば、駐車場を増やせばよいと考えがちだ。ただ、ここには投資対効果という現実的な壁が立ちはだかる。
駐車枠を拡張するには用地の取得や大規模な造成が必要で、盛土や切土をともなう土木工事は初期費用が極めて大きい。加えて、駐車スペースを無料で提供し続けている以上、どれだけ拡張しても直接的な収益は生まれない。一方で、商業施設への投資は売上や利益に直結し、回収の見通しも明瞭だ。こうした投資効率の差は、空間の使い方に明らかな偏りをもたらす。本質的には、
・物流を支えるインフラ機能
・商業施設としての営利原則
の衝突が生じている。収益性を最大化する観点では、利益を生まず維持コストだけがかかる駐車スペースは、稼働しない面積として扱われてしまう。利益を生むエリアを重視するほど、土地利用の権利は自然に商業部門へと集中する。その結果、物流網に必要な休息や待機の受け皿が削られ、現場の運用はひっ迫する。
駐車難民の問題は、マナーの問題や個別の行動の結果ではなく、民間運営の枠組みのなかで、不採算な機能が市場原理に押し出される過程で生じた必然的な現象である。