サービスエリアの「格差拡大」! 「稼ぐ巨大SA」が地方インフラを食いつぶす? 90年後まで無料化なし、逃げ場なき道路運営の行方とは
紙の情報誌終了、交通量は19年度比で約8%減。利用が細るなか、SA・PAは収益と集客の両立を迫られている。海老名SAの1日6万人動員に見る、休憩施設の変化と生き残り策を追う。
高速道路情報発信の転換点

NEXCO東日本は2026年1月16日、高速道路の休憩施設で長く親しまれてきた無料情報誌「ハイウェイウォーカー」を、3月20日発行分で終了すると発表した。紙媒体からデジタルへの移行が社会全体で進むなか、この判断は流れとして理解できる一方で、ひとつの区切りを意識させる出来事でもある。
仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)自身、子どもの頃からこうした情報誌を手に取り、見知らぬ土地の食や景色に触れてきた世代だ。だからこそ、役目を終えると聞いて、素直に惜しさが残る。
NEXCO中日本や西日本でも、案内の主軸は紙面からスマートフォンや電光掲示板へと移りつつある。それにともない、利用者の行動も変わってきた。かつての紙媒体は、立ち読みのなかで思いがけない情報に出会う入口だった。
一方、デジタルでは、利用者が目的を持って情報にアクセスする場面が増えている。混雑状況や期間限定のメニューが随時更新され、それを見て走行中に立ち寄り先を決める。休憩施設での消費は、より即時的で選択の早いものへと移っている。
情報の出し方が変わるにつれ、各エリアには「選ばれる理由」を明確に示すことが求められるようになった。施設の存在を知ってもらい、足を運んでもらうための工夫は、従来の枠にとどまらず広がっている。
なかでも、飲食や土産物にかけられる力の入れ方は目立つ。地域性を前面に出した商品や企画は、利用者との接点を増やし、結果として休憩施設の意味合いそのものを少しずつ変えてきた。情報発信の転換は、そうした変化を後押ししているように見えるのだ。