サービスエリアの「格差拡大」! 「稼ぐ巨大SA」が地方インフラを食いつぶす? 90年後まで無料化なし、逃げ場なき道路運営の行方とは
紙の情報誌終了、交通量は19年度比で約8%減。利用が細るなか、SA・PAは収益と集客の両立を迫られている。海老名SAの1日6万人動員に見る、休憩施設の変化と生き残り策を追う。
SA事業が生む地域経済と新たな消費動線

SAやPAは、周辺地域に新しい活気をもたらしてきた。とりわけ食品の取り扱いが多いことから、地元の一次産業や食品関連企業にとって、安定した需要を見込める取引先になっている。地域の食材を積極的に取り入れる流れは、地産地消を後押しし、地域経済を支える持続的な供給のつながりを育ててきた。
若者の車離れが語られる場面は少なくない。それでも、行ってみたいと思わせる施設の存在は、若い世代や観光客が高速道路を使う理由のひとつになっている。私自身、遠方へ向かう際には、SAで過ごす時間を旅の行程に組み込み、その土地ならではの味や特産品に触れることを楽しみにしている。こうした消費の動きは、高速道路会社が地域の埋もれた魅力を掘り起こし、外へ伝える役割を強めていることを示している。
高速道路の通行料金の無料化は、さまざまな事情から2115年ごろまで先送りされる見通しとなり、当面は通行料金が事業収入の中心であり続ける。ただ、施設運営による収益を高めることは、特定の収入に偏らない安定した経営を保つうえで欠かせない。
地域と深く関わりながら事業を進めることで、高速道路は交通の基盤としての役割を果たしつつ、地域経済を巡らせる新たな拠点としての価値を高めている。