サービスエリアの「格差拡大」! 「稼ぐ巨大SA」が地方インフラを食いつぶす? 90年後まで無料化なし、逃げ場なき道路運営の行方とは

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紙の情報誌終了、交通量は19年度比で約8%減。利用が細るなか、SA・PAは収益と集客の両立を迫られている。海老名SAの1日6万人動員に見る、休憩施設の変化と生き残り策を追う。

「立ち寄る理由」が薄れる地方SAの苦境

東北自動車道の終点に位置する津軽SA(画像:写真AC)
東北自動車道の終点に位置する津軽SA(画像:写真AC)

 高速道路の休憩施設は、長距離移動の途中で体を休め、次の行程を整えるための場所として機能してきた。SAやPAは、交通情報を確かめたり、走行ルートを見直したりする場でもあり、移動の流れのなかに自然に組み込まれていた存在だ。

 ただ、カーナビやスマートフォンの案内アプリが高度化するにつれ、情報を得るために立ち寄る必然性は薄れてきた。所要時間や効率を重視する検索が当たり前になると、特徴が見えにくい地方の施設は、利用者の選択肢から外れやすくなる。

 この変化は、地方に立地する休憩施設の運営をいっそう厳しいものにしている。東北自動車道の津軽SAでは、利用者減少を背景に、下り線で2005(平成17)年9月にガソリンスタンドとレストランが姿を消した。上り線でも2007年2月にガソリンスタンドが閉鎖され、2008年8月には改装後のレストランも営業を終えている。中国自動車道でも、2026年1月の時点で、終点付近を中心にガソリンスタンドを持たない施設が目立つようになった。

 休憩機能が縮小され、施設の中身が簡素になると、使い勝手はさらに落ち込む。その結果、高速道路は目的地へ向かうための通路としてのみ意識されやすくなる。小規模な施設が活気を失えば、長距離を走るドライバーの休息の質にも影響が及び、道路の安全を支える基本的な価値にも揺らぎが生じかねない。

 地域の拠点として本来備えてきた魅力をどう保ち、再び利用者に足を向けてもらうか。その問いが、各路線に重くのしかかっているのだ。

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