サービスエリアの「格差拡大」! 「稼ぐ巨大SA」が地方インフラを食いつぶす? 90年後まで無料化なし、逃げ場なき道路運営の行方とは
紙の情報誌終了、交通量は19年度比で約8%減。利用が細るなか、SA・PAは収益と集客の両立を迫られている。海老名SAの1日6万人動員に見る、休憩施設の変化と生き残り策を追う。
巨大需要を取り込む海老名SAの集客戦略

全国に数ある休憩施設のなかでも、群を抜く利用者数を誇るのが東名高速道路の海老名SAである。
上下線を合わせた1日あたりの平均利用者は約6万人に達し、休日や大型連休には10万人を超える日も珍しくない。都心に近く、交通量の多い東名という条件が大きいのは確かだが、それだけでこの数字が維持されてきたわけではない。利用者の関心をつなぎ止めるための積み重ねが、集客力の底を支えている。
施設内に目を向けると、あつぎ豚や海老名産の野菜など、地元の食材を前面に出した限定メニューが並ぶ。そのなかでも強い存在感を放っているのが「海老名メロンパン」だ。48時間で2万7503個を売り上げ、ギネス世界記録に認定された実績はよく知られている。
話題が話題を呼び、販売実績が次の来訪を後押しする流れが、ここでは自然に形づくられてきた。施設名にちなんだ海老を使った商品も人気が高く、こうした積み重ねが「この場所を目当てに高速道路を使う」という行動を生み出している。
近年はSNSやネットニュースを通じた発信にも力を入れ、常に新しい話題を外に届けている。海老名SAは、移動の途中で立ち寄るだけの場所にとどまらない。話題の発生点となり、人の動きや周辺の経済に影響を及ぼす存在として認識されつつある。施設が持つブランドの強さが、インターチェンジ(IC)間の通行を後押しし、結果として道路全体のにぎわいにもつながっているのだ。