サービスエリアの「格差拡大」! 「稼ぐ巨大SA」が地方インフラを食いつぶす? 90年後まで無料化なし、逃げ場なき道路運営の行方とは

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紙の情報誌終了、交通量は19年度比で約8%減。利用が細るなか、SA・PAは収益と集客の両立を迫られている。海老名SAの1日6万人動員に見る、休憩施設の変化と生き残り策を追う。

利用者減とコスト増に挟まれるSA・PA運営の現実

さまざまな問題に直面し悩む事業者たち(画像:写真AC)
さまざまな問題に直面し悩む事業者たち(画像:写真AC)

 2026年1月時点で、全国のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)を取り巻く環境は、これまでになく厳しさを増している。

 2020年のコロナ禍を経て、都市部では利用が横ばいに近い水準を保っているものの、全国で見れば減少傾向は明確だ。NEXCOが公表した年末年始の主要40区間における1日あたりの平均交通量を比べると、2019年度の3万8100台から2021年度は3万5200台へと約8%落ち込んだ。今後は人口減少に加え、自家用車の保有率低下も重なり、利用の縮小が続くとの見方が強い。

 こうした状況を受け、運営の考え方にも変化が生じている。従来は道路に付随する公的な役割として位置づけられてきたが、現在は自ら収益を生み、その収入でインフラを支える事業としての性格が前面に出つつある。ただ、物価の上昇や施設の老朽化にともなう維持改修費、人手不足による人件費の増加が重くのしかかる。

 安全な走行を支える補修と、集客に直結する商業施設への投資の間で、限られた資源をどう振り分けるかという判断を迫られる場面も少なくない。通行料金収入を大きく引き上げにくい現状では、施設運営から得られる収益が、道路インフラを保ち続けるうえで欠かせない支えになっている。

 利用者の変化に対応する動きとして、デジタル技術の導入も進み始めた。ただ、新しい仕組みがどのようなものかを利用者が理解し、日々の行動に反映されるまでには、なお工夫の余地が残る。技術を取り入れること自体が目的になるのではなく、現場での使われ方や受け止められ方を丁寧に積み重ねていく段階に差しかかっている。

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