「廃止予定を撤回します」 熊本市電、費用削減で全国ICカード維持――“高コスト”はもう言い訳にならないのか?
全国交通系ICカードの更新コストが自治体を圧迫する中、熊本市電は費用を1.5億円に抑えつつ継続を決定。利用者の37%が懸念を示す声に応え、広島電鉄でもICOCA対応機器を改良。利便性とコスト削減の両立が現実味を帯びてきた。
広島電鉄の事例が示す可能性

広島電鉄でのICOCAなど全国交通系ICカードの決済は、使い方が分かりにくいという声が利用者から上がっていた。そんななか、同社は2025年6月27日に来春をめどに、自社開発の「モビリーデイズ」読み取り機でICOCAが使えるようになると発表した。この発表を受けて、利用者からは歓迎の声が上がっている。割引や「イコカ定期券」の相互利用を求める要望も聞かれた(「「やっと便利に」歓迎 広島電鉄のモビリーデイズ読み取り機でICOCA利用可能に」中国新聞2025年6月27日付け)。
機器の改良によって、評判の悪かった使い勝手が少しずつ改善されつつある。システム更新費用を考える上でも、この「機器の改良」は見逃せない要素だ。国や地方自治体が、安くて従来の機能を保つ新型機器の開発を後押しすれば、従来から問題視されてきた全国交通系ICカードのランニングコストの高さを一気に解消できるかもしれない。
利用者の利便性を高めつつコストも削減する。今回の広島電鉄の取り組みは、その両立を目指す事例として参考になるだろう。