「廃止予定を撤回します」 熊本市電、費用削減で全国ICカード維持――“高コスト”はもう言い訳にならないのか?

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全国交通系ICカードの更新コストが自治体を圧迫する中、熊本市電は費用を1.5億円に抑えつつ継続を決定。利用者の37%が懸念を示す声に応え、広島電鉄でもICOCA対応機器を改良。利便性とコスト削減の両立が現実味を帯びてきた。

熊本県交通5社の決断

熊本市(画像:写真AC)
熊本市(画像:写真AC)

 熊本県の交通5社が全国交通系ICカードの取り扱いを一斉にやめたことが話題を呼んだ。これは2020年に施行された独占禁止法特例法に基づく動きだった。

 路線バス車内のICカード機器を更新するには高額な費用がかかり、当時は国の補助金も期待できなかった。そこで各社は、負担の少ないタッチ決済対応のクレジットカード読み取り機器を共同導入することにした。特例法がなければ、この共同行為はカルテルとみなされかねなかっただろう。

 地域交通を守るためには避けられない経営判断だったが、全国交通系ICカードが使えなくなったことで、利用者の不便は大きくなった。くまモンのIC CARDは残ったものの、SuicaやICOCAといったカードは使えなくなったからだ。

 熊本市交通局が運営する熊本市電も、当初は2026年3月に全国交通系ICカードの取り扱いをやめる予定だった。車内での支払いは、タッチ決済とQRコード認証、そしてくまモンのIC CARDだけに絞られるはずだった。

 ところが2025年末、流れが変わる。11月28日の市議会本会議で、大西一史市長が熊本市電での全国交通系ICカード利用を続ける方針を表明したのである。

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