「首都高 = 700円」は遠い過去――再値上げで上限2130円、なぜ「利用者だけが負担」なのか?
また値上げ―首都高が直面する三重苦

2025年12月24日、首都高速道路は2026年10月から実施する新たな料金改定案を正式に発表した。1kmあたりの料金を約10%(32.472円)引き上げる案や、上限料金の見直しが盛り込まれており、2026年1月時点で実施に向けた手続きが進められている。
今回の改定の背景には、物価高による人件費や運営コストの上昇、施設維持費の増大がある。首都高は老朽化の進行と、物価・コスト高、交通量の横ばいという三重の課題を抱えており、改定はこうした負担を緩和する狙いもある。
首都高は1962(昭和37)年の初区間開通以来、料金改定を繰り返してきた。普通車の料金に限れば、1994(平成6)年には一律700円に改定され、2012年の改定まで約18年間この水準が維持された。このため「首都高 = 700円」というイメージが根強く残る。
2012年1月1日からはETC車限定の距離別料金制が導入され、ETC車の上限は900円、ETC車以外は一律900円となった。今回の正式決定で、普通車の上限料金は現行の1950円から2130円(55km超)に引き上げられることになった。
首都高やNEXCOでは、利用者からの料金収入が事業の基盤となる。新設道路の建設費や既存路線の維持費に充てられる収入は、年々膨らむ支出を支える重要な資金源であり、料金の引き上げが続いている。この構造は、NEXCOが民営化される前の日本道路公団時代から変わらない。
首都高の維持費は2014年度の775億円から2023年度には1100億円に達し、9年間で約4割増となった。資材価格も世界的な需要増や原油高で上昇している。国交省によれば、東京都の建設資材価格は2021年5月から2022年5月の間に木材が40~85%、鋼材が30~55%上昇し、建設費と維持費の負担が増加していることがうかがえる。
一方、収入源となる交通量はほぼ横ばいで、収入は増えないまま支出だけが膨らむ構造が続く。さらに首都高の多くの路線は1960~70年代に建設され、老朽化が進んでいる。今後は道路、トンネル、橋梁の改修工事が増える見込みで、工事費の増加も避けられない。