「首都高 = 700円」は遠い過去――再値上げで上限2130円、なぜ「利用者だけが負担」なのか?

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首都高速は1962年開通以来、老朽化と物価高騰に直面し、普通車上限料金は1950円に達した。2026年度の値上げ検討を控え、収入構造と都市交通効率の見直しが急務となっている。

値上げが招く利用者心理の逆効果

問題点のイメージ(画像:写真AC)
問題点のイメージ(画像:写真AC)

 今回の首都高の値上げには、根本的な課題が置き去りにされる懸念がある。料金体系の不備や交通需要の逼迫、都市構造の偏りなどが背景にあり、値上げだけではこれらの問題が解消されず、むしろ拡大する可能性もある。

 高速料金は長距離利用ほど高くなる仕組みで、値上げが行われれば心理的に短距離利用が増え、長距離利用は控えられやすい。この傾向が続けば、料金を上げても収入は思ったほど伸びず、収入増と利用抑制が同時に進む「負のスパイラル」に陥る危険がある。

 値上げの理由は物価高騰や運営コストの上昇にあるとされるが、その負担は利用者に委ねられている印象が強い。代替案は示されず、利用者がどう対応すべきかも明確になっていない点で、説明責任が十分とは言えない。

 首都高はこれまで値上げを行っても、交通量が微増する傾向があった。直近の改定は2022年4月で、改定前後の平均代表断面交通量を見ると、2019年の7万7500台から2022年は8万100台へと約3%増えている。この増加は都市物流や生活移動の動きにも影響を与える。

 さらに今回の改定は、他の都市高速やNEXCO管轄路線の料金にも波及する可能性がある。首都圏だけでなく全国の利用者負担が増すおそれもあり、首都高単独の問題として片付けられない状況だ。

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