「首都高 = 700円」は遠い過去――再値上げで上限2130円、なぜ「利用者だけが負担」なのか?

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首都高速は1962年開通以来、老朽化と物価高騰に直面し、普通車上限料金は1950円に達した。2026年度の値上げ検討を控え、収入構造と都市交通効率の見直しが急務となっている。

解決の糸口―料金形態の抜本的見直し

ひらめき解決のイメージ(画像:写真AC)
ひらめき解決のイメージ(画像:写真AC)

 収入の確保と安定化を考えるうえでは、現行の不釣り合いな料金形態を見直すことが最も効果的だ。更新投資の一部を都市インフラ会計に組み入れ、料金収入への依存度を段階的に減らす手法も検討される。上限料金の調整や走行距離に応じた負担増の緩和は、長距離利用の急減を防ぐうえで有効だろう。加えて、渋滞損失の削減と料金体系の統合も重要である。首都高、NEXCO、外環道の交通誘導政策を連携させれば、広域的な交通の最適化にもつながる。

 2026年1月現在、自動車のETC普及率は90%を超え、首都高でも各出入口のETC専用化工事が進む。ETC専用化は運用効率を高め、料金形態への好影響も期待できる。さらに技術の進歩により、老朽化問題の深刻な区間でも劣化状況や修繕策を瞬時に把握でき、時間やコストの削減につながる。

 首都高を走る大型トラックの姿は多く、物流関連車両の通行量が目立つ。物流車向けの制度や利用時間帯の誘導は、全体の効率化に寄与する可能性がある。利用者サービスの向上も収入安定には欠かせない。走行距離や時間帯に応じた料金体系をより細かく、分かりやすくすることで、選択肢を広げられる。

 首都高沿道は一般道が充実した地域もあるが、道路構造の複雑さから利用者が首都高と一般道の関係を十分に把握するのは容易ではない。交通状況に応じ、一般道や外環道への迂回を促すシステム強化も今後の課題だ。ETC利用率が100%に近づけば、一般レーンの運営コストは大幅に削減できるため、非ETC車への導入促進策も同時に重要となる。

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