「首都高 = 700円」は遠い過去――再値上げで上限2130円、なぜ「利用者だけが負担」なのか?
首都高速は1962年開通以来、老朽化と物価高騰に直面し、普通車上限料金は1950円に達した。2026年度の値上げ検討を控え、収入構造と都市交通効率の見直しが急務となっている。
悪循環の正体―老朽化と交通量構造の歪み

首都高の現状を理解するには、抱えている問題を整理する必要がある。
まず老朽化が深刻だ。首都高の初区間は1962年12月に開通しており、日本初の高速道路とされる名神高速道路の初区間(1963年7月開通)よりも約半年早かった。開通から60年以上が経過し、各所の劣化は進行している。修繕の回数や規模も増え、その分だけ工事費も膨らむ。
実際、2022年には1号羽田線の羽田トンネルや湾岸線の荒川湾岸線を含む合計22kmで改修工事が必要と判断され、約3000億円の費用が見込まれた。修繕費が優先されるため、新設道路や更新投資は後回しにならざるを得ない状況が続く。
交通量の構造にも課題がある。前回の料金改定後、全体の交通量は横ばいからわずかに増加にとどまり、前年比で約103%に留まった。内訳を見ると短距離利用は増えたが、長距離利用は減少する傾向があり、料金収入の増加にはつながらない。長距離利用を促さなければ収入は伸びないが、料金を値上げすれば利用者は長距離を控え、問題は解消しにくい。
制度の持続性も見直しが求められる。現行の料金体系は、収入を運営・維持費に充てる仕組みであり、日本道路公団時代から続く枠組みだ。しかし、老朽化が進む首都高や全国の主要路線に対応するには不十分である。このままでは更新投資の確保が難しく、制度の根本的な見直しは避けられない状況にある。