宅配を支える「軽バン」の稼ぎはなぜ下がるのか? 「時給3000円」目標も夢と消えるオーナードライバー制の制度疲労 

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軽貨物運送は、軽自動車の小回りを生かし都市部ラストマイルを支える主力だ。だが最大積載350kgの低生産性、運賃低迷、ギグワーク増加による収入圧力、労働権保護の不十分さが課題となり、抜本的制度改革が求められている。

軽自動車マーケットの中核化

軽の宅配イメージ(画像:写真AC)
軽の宅配イメージ(画像:写真AC)

 日本独自の車両規格である軽自動車は、狭い道路幅や入り組んだ街路、限られた車庫スペースといった日本特有の環境に適応した車種だ。新車販売台数ランキングの上位には軽自動車が並び、国内マーケットの中核を占める存在になっている。

 軽自動車は物流分野でも活躍している。特に軽貨物車は小回りが利く輸送手段として、都市部のラストマイル配送を支える主役の役割を果たしている。

 普通車や大型車を用いた貨物輸送では、5台以上の車両を揃え、運行管理者の有資格者を配置するなど、多くのハードルをクリアする必要がある。一方、軽貨物は個人が1台の車両を持ち、適法な手続きを踏めば許認可を取得できる。この

「オーナードライバー制」

は軽自動車に限って認められてきた。その結果、独立開業を目指す中高年者など幅広い層に門戸を開き、業界の裾野を広げてきた。

 しかし、軽貨物運送にも変化の波が押し寄せている。物流環境の変化にともない、制度疲労も顕在化しているのだ。

 かつては専業の軽貨物ドライバーが組合に加入し、業務を受注する形態が多く、業界内の結束が強かったため、価格水準は比較的安定していた。だが近年は、ネットを介したマッチングが増え、業界構造は流動化している。その結果、副業として配送に携わる

「ギグワーカー」

が増え、大手荷主がドライバーに直接発注するケースも目立つようになった。

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