EVだけで「脱炭素」は可能なのか? マツダが挑む「エンジン車延命」――燃料・制度の壁を越える挑戦とは

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マツダが開発したCO2回収装置MMCCは、微細藻類由来燃料と組み合わせ走行中にCO2を吸着。国内2136万台のエンジン車市場に新たな脱炭素の選択肢を提示し、EV依存に揺さぶりをかける。

延命がもたらす中古車市場の再編

CO2回収技術装置「マツダ・モバイル・カーボン・キャプチャー(MMCC)」(画像:マツダ)
CO2回収技術装置「マツダ・モバイル・カーボン・キャプチャー(MMCC)」(画像:マツダ)

 MMCCの実用化に向けた主な課題は、耐久性とコストである。吸着材の交換周期は「年間走行距離×吸着量」に左右されるため、交換費用の見通しが立たなければ普及の足かせになる。

 また、MMCCの搭載によって車両重量が増すことで燃費が悪化し、CO2削減効果を損なう可能性もある。量産化に必要な素材コストは高止まりしており、初期投資が増えればEVとのコスト差はさらに開く。普及には依然として高いハードルがある。

 自検協によれば、乗用車の平均車齢は近年9年を超え、長期的に上昇を続けている。エンジン車を

・新燃料への転換
・CO2回収装置の追加

で延命できれば、高齢化した市場が活性化する可能性がある。残価設定型クレジットの評価軸も環境性能からCO2削減能力へ移行し、中古車市場の基準が変わることも想定される。

 エンジン車の延命が進み、生産ラインの維持が可能になれば、エンジン関連のサプライチェーンの雇用にも好影響が及ぶ。EVシフトを前提とした縮小フェーズから、横ばいへの転換が起こるシナリオも見えてくる。

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