EVだけで「脱炭素」は可能なのか? マツダが挑む「エンジン車延命」――燃料・制度の壁を越える挑戦とは
マツダが開発したCO2回収装置MMCCは、微細藻類由来燃料と組み合わせ走行中にCO2を吸着。国内2136万台のエンジン車市場に新たな脱炭素の選択肢を提示し、EV依存に揺さぶりをかける。
広がる充電インフラの地域格差
自動車検査登録情報協会(自検協)によれば、2024年時点の国内乗用車保有台数は2136万台だった。このうち電動車は約1300万台で約6割を占めるが、主力はハイブリッド車(HV)である。エンジン車にHVを含めると、全体の約98%に達する。
この構造のまま電動化を進めるには、大規模な転換が避けられず、相応の社会的コストが発生する。脱炭素に向けた充電網整備や電力供給の増強など、インフラへの投資が欠かせない。
2025年11月時点で国内のEV充電器は5万基を超えたが、公道上で15km以内に急速充電器がない地域が依然存在する。都市部と地方の格差は大きく、北海道のような広域エリアや山岳地帯、農村部では空白地帯が広がっている。重点的な支援が求められる状況だ。
EVを導入する際には充電設備の初期投資が必要になる。しかし、多くの家庭はこの負担を避けがちで、購入判断は依然として費用対効果に左右されている。環境性能より実利が優先される局面が続いている。エンジン車にMMCCを搭載できるようになれば、消費者にとっての選択肢は確実に広がるだろう。