小仏トンネルの「慢性的渋滞」は解消できるのか? 相模湖東IC~八王子IC「年間23万時間」損失という現実

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中央道の慢性的渋滞を象徴してきた小仏トンネルで、交通量の季節変動は平日の1.2倍、速度は休日に通常の25%まで低下する。物流や観光に年間数十万時間規模の損失を生むこの構造的課題に対し、新小仏トンネルが本格的な解決策として動き始めた。流動性の回復が、沿道経済と首都圏交通の再設計を促す局面に入っている。

老朽化インフラの課題

中央道最後の開通区間である一宮御坂IC周辺(画像:都野塚也)
中央道最後の開通区間である一宮御坂IC周辺(画像:都野塚也)

 今後、日本の人口が減少するのにともない、全国の自動車交通量も減少傾向にある。しかし中央道の交通量は、上下線とも最大で20%の減少にとどまる見込みである。

 中央道は初区間開通から間もなく60年、全線開通からは40年以上が経過しており、道路や設備の老朽化が懸念されている。特にトンネルや橋梁の改修には莫大な費用がかかる。中央道では2012年12月に上り線の笹子トンネルで天井板落下事故が発生しており、改築や修繕の重要性が高まっている。

 現状のインフラ規模では、維持管理コストと渋滞損失時間の削減を両立させるのは難しい。しかし新小仏トンネルの開通による車線増設は、短期的な渋滞対策にとどまらず、老朽化対策を効率化する効果も期待できる。

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