小仏トンネルの「慢性的渋滞」は解消できるのか? 相模湖東IC~八王子IC「年間23万時間」損失という現実

キーワード :
, ,
中央道の慢性的渋滞を象徴してきた小仏トンネルで、交通量の季節変動は平日の1.2倍、速度は休日に通常の25%まで低下する。物流や観光に年間数十万時間規模の損失を生むこの構造的課題に対し、新小仏トンネルが本格的な解決策として動き始めた。流動性の回復が、沿道経済と首都圏交通の再設計を促す局面に入っている。

郊外横断交通の促進

圏央道内回り。相模原IC周辺(画像:都野塚也)
圏央道内回り。相模原IC周辺(画像:都野塚也)

 新設される新小仏トンネルは、トンネルを越えた先で八王子JCTに直結する予定である。ここには明確な狙いがあると考えられる。

 中央道や首都圏起点の高速道路は、起点に近づくほど交通量が増える構造になっている。都心が目的地でない人でも、都心を経由して他地域に移動するケースが多いためだ。この交通集中を緩和し、首都圏の郊外間アクセスを向上させるために整備されたのが圏央道である。

 圏央道開通後、中央道の圏央道内側の交通量は減り、一定の交通緩和効果が出ている。しかし、東京都区間の渋滞は依然として深刻で、国土交通省やNEXCO中日本は、他路線や一般道の利用を推奨することが少なくない。

 新小仏トンネルの圏央道直結は、中央道を通じて首都圏郊外への交通を促す効果が期待される。都心に偏った縦断中心の交通から、横断交通を増やす狙いがあるのだ。全国的にみても既存路線は縦断型が多いが、近年は横断路線の整備が進んでいる。

 中央道の交通量の約20%が圏央道に流れるだけでも、中央道の渋滞は大幅に緩和されると見込まれる。ただし、圏央道自体の渋滞も近年深刻化しており、新たな対策も必要である。

全てのコメントを見る