「物流危機」は補助金で救えるのか? 申請書類の壁に阻まれる「中小トラック会社」の逆転戦略
2025年度予算で国交省の物流関連支援は前年比2割超増額となった。中小トラック会社が直面する「物流危機」を克服するには、AIや簡易化補助金を駆使した効率化が不可欠である。
物流危機と財政支援

近年、物流分野への支援制度拡大が続いている。2025年8月に公表された来年度予算の概算要求を見ると、国土交通省の物流関連予算には前年比2割超の増額項目が目立つ。
特に目立つのは、物流自動化やデジタル機器導入、鉄道等を活用したモーダルシフトの推進など、
「民間企業の物流効率化」
を支援する予算だ。
こうした動きの背景には、ドライバーの働き方改革に端を発する「物流危機」がある。物流危機を克服するには、電話やファックスに依存する旧態依然とした物流の革新が不可欠である。
しかし、人手不足や軽油高騰で経営が厳しいトラック会社には、設備投資の余力がない。物流革新は容易ではない。この状況を考えると、一定の財政支援が期待されるのは自然である。各種制度の後押しによってトラック会社の業務効率が向上することは、大局的に見ても必要なことだ。