「月900円」で鉄道・バス乗り放題! 台湾政府が「激安定期券」に巨額投資する根本理由
台湾政府が2023年に導入した共通定期券「TPASS」。人口1000万都市圏を含む10地域で鉄道・バス・船・自転車まで乗り放題、月最安約900円。渋滞と大気汚染を抱えるバイク天国の公共交通利用を5%押し上げ、沿線経済にも影響を与え始めている。
台湾交通改革の衝撃

台湾の交通事情と聞くと、ラッシュ時に多くのバイクが行き交う光景を思い浮かべる人も多いだろう。
公共交通の整備は進んだものの、朝夕の通勤時間帯には依然としてバイクや車の渋滞が発生する。これは大気汚染の一因にもなっている。
こうした状況を改善するため、台湾政府はある施策を打ち出した。それが大きな話題を呼び、市民生活にも変化をもたらし始めているという。果たしてその施策とは――。
本稿は2024年まで台湾に留学していたMOTER-MAN氏との共同制作である。なお、通貨レートや運賃は2025年春時点の情報を使用している。台鉄では2025年6月に運賃が改定されている。