大阪・関西万博だけじゃない! 日本のモビリティを変えた「博覧会の経済学」―― 日本初の一般営業電車が「博覧会」で生まれたワケとは

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2025年開催の大阪・関西万博は、日本の交通インフラ進化を象徴するイベントだ。過去の博覧会が、新型電車やモノレール、エスカレーターなど数々の交通革新を生み出した歴史を踏まえ、今回は乗用ドローン「eVTOL」など次世代技術を初披露。博覧会がもたらす革新が日常の足となる未来を示す。

生活に欠かせないあのモビリティも「博覧会が日本初上陸」

 博覧会がきっかけで日本に初上陸したモビリティは、電車やモノレールといった鉄道だけにとどまらない。

 いまや生活に欠かせない電動式エレベーターが日本で初めて登場したのは、1890年に開業した日本初の高層展望塔「浅草凌雲閣」だった。この日本初の電動エレベーターが設置された凌雲閣は、パビリオンではなかったが、先に紹介した第3回内国勧業博覧会からの来場者を見込んで建設された。

 さらに、日本初のエスカレーターと動く歩道(ムービングウォーク)も博覧会で初登場している。

 日本初のエスカレーターが設置されたのは、1914(大正3)年に開催された東京大正博覧会の会場だった。会場内と、第一会場と第二会場をつなぐルートの2か所に設置されていた。そのうち、ふたつの会場を結ぶ屋外エスカレーターの途中には、平面状の動く歩道が設けられていたという。

 この博覧会の終了後、同年10月には日本橋三越本店にもエスカレーターが設置された。商業施設内のフロアを結ぶ、現在と同じようなかたちでの導入だった。

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