率直に問う 電動キックボードは「原付扱い」に戻すべき?――違反2.5万件が暴く都市の秩序崩壊危機

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2023年の道路交通法改正で電動キックボードの免許不要化が進む一方、交通違反は1年で2万件超に達した。利便性拡大の影で公共秩序の維持は危機に瀕し、制度設計の根本的欠陥が露呈している現状を分析する。

免許不要化が生んだ秩序不全

電動キックボード(画像:写真AC)
電動キックボード(画像:写真AC)

 2023年7月、道路交通法が改正され、一定の要件を満たした電動キックボードについては免許なしでの運転が可能となった。

 表向きは都市交通の多様化と脱炭素化を推進する制度設計として歓迎されたが、その裏側では、制度設計の基礎となる交通規範の理解が著しく希薄なユーザーを大量に生み出す結果となった。

 規制緩和が公共空間における秩序の崩壊を招いている。施策の発想から実施、そして運用の現実までを点検することで、なぜこのような歪な事態に至ったのかを明らかにする。

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