日本の道路が「アメ車仕様」になってしまう!? 国産車99%の壁、規制緩和で崩壊危機? 安全・主権を揺るがすトランプ政権の通商圧力とは
トランプ政権下で再燃した日米自動車通商交渉。米国が日本の安全基準を非関税障壁と指摘し、シェア1%未満の米車の参入障壁を緩和求めるなか、日本の規制緩和が経済戦略と消費者保護の間で揺れる。
再燃する日米間の自動車貿易摩擦

トランプ第1期政権(2017~2020年)以来、自動車をめぐる日米間の通商交渉が再び緊張を強めている。2025年4月18日、赤沢亮正経済再生大臣が帰国した。ホワイトハウスでの「サプライズ会談」をトランプ大統領と終えた直後だった。
今回の会談では、日本の自動車市場に存在する非関税障壁について、米国側から具体的な要求があったとされる。この問題は、今後の日米関税交渉の優先課題として浮上している。非関税障壁とは、輸入品に直接関税をかけるのではなく、
・規制
・制度
などによって貿易を制限する仕組みを指す。トランプ大統領は前政権時代から、日本の安全基準が米国車の参入を妨げていると繰り返し批判してきた。現在も米国車の国内市場シェアは
「1%未満」
にとどまる。その要因として、日本の安全基準などが障壁と見なされる構図が再び顕在化している。
今回の交渉によって、自動車の安全基準が政治の俎上に載せられたかたちだ。これは、日本の規制主権や消費者の安全をいかに守るかという、本質的な問いにも直結する。
本稿では、米国側が非関税障壁とする日本の安全基準を取り上げる。仮にこの基準を米国の要求通りに見直した場合、どのような事態が生じうるのか。その影響をシミュレーションし、検証する。