日本の道路が「アメ車仕様」になってしまう!? 国産車99%の壁、規制緩和で崩壊危機? 安全・主権を揺るがすトランプ政権の通商圧力とは

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トランプ政権下で再燃した日米自動車通商交渉。米国が日本の安全基準を非関税障壁と指摘し、シェア1%未満の米車の参入障壁を緩和求めるなか、日本の規制緩和が経済戦略と消費者保護の間で揺れる。

基準を見直すことによるメリット

ホワイトハウス(画像:Pexels)
ホワイトハウス(画像:Pexels)

 日本が基準緩和や制度調整に応じる背景には、戦略的な経済的意図がある。通商交渉において、譲歩カードとして活用することで、他の分野で有利な交渉を進めやすくなる可能性がある。過去の交渉でも、農産品や医薬品の分野で、安全基準の見直しが交渉材料となり、双方に利益をもたらした。

 例えば、日本が自動車関連の参入障壁を一部撤廃し、安全基準を緩和する場合、最大25%に達する自動車関税の回避や軽減が可能になる。これにより、日本の自動車産業はコスト競争力を高め、海外市場でのシェア拡大が期待できる。自動車産業においてはコスト削減が直接的な利益に結びつくため、安全基準緩和は長期的な利益を見込める。

 また、輸入車の増加により国内市場での競争が活発化する。選択肢が広がることで、消費者は多様な価格帯の商品を選べ、特にミドルレンジ市場で競争が激化する。この競争は価格引き下げを促し、消費者の利益を最大化する。市場が活性化すれば、日本メーカーにとってもグローバル市場での競争力向上につながる。国際基準への適応は多国籍展開において不可欠であり、その準備のためには国内基準を見直すことが有効である。

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