航空業界の貧乏神「空港整備特別会計」の欺瞞を暴く! 98もの空港乱立、高すぎる公租公課…その悪業を総括する
空港整備特別会計、航空業界版「キングボンビー」! 国土交通省の甘い予測と巨額投資が航空会社を苦境に陥れた負の遺産を検証。98空港乱立、高額着陸料、JAL破綻…その教訓は。世界が学ぶべき「日本の失敗」。空港民営化と自由化で日本の空は復活するのか。モビリティ経済の観点から、空港政策の光と闇に迫る。
国鉄と航空を蝕んだ“キングボンビー”

過疎が進む地方に新たな路線を整備し、その経営を国鉄に押し付けた日本鉄道建設公団。国鉄の赤字体質を悪化させ、破滅に追い込んだことで知られている。同団体は、人気すごろくゲーム「桃太郎電鉄」でプレーヤーに無駄遣いをさせて苦しめる
「キングボンビー(貧乏神)」
になぞらえられ、ネット上でもそう呼ばれている。
同じくキングボンビーと呼ぶべき存在は、かつて航空業界にもあった。無駄な空港整備が赤字路線や使用料の高騰を招き、日本の航空会社を苦しめた。その元凶が
「空港整備特別会計」
だ。消滅から10年以上が経つが、国全体に迷惑をかけた悪業は今も語り継がれている。日本だけでなく、世界のインフラ整備のあり方を考えるうえでも重要な教訓となっている。本稿では、空港整備特別会計の問題点を振り返る。