航空業界の貧乏神「空港整備特別会計」の欺瞞を暴く! 98もの空港乱立、高すぎる公租公課…その悪業を総括する
成長阻む高コスト構造
また、空港整備特別会計の財源で最も重要なのは、航空会社が支払う空港使用料だった。実際、2003年度の歳入を見ると、空港使用料収入は2169億円で、全体(5055億円)の約43%を占めていた。同年の一般会計からの組み入れが1787億円、借入金が452億円だったことを考えると、空港使用料の重要性がよくわかる。
地方空港の整備には多額の資金が必要だった。そのため、財源となる空港使用料を増やす必要があった。しかし、日本の大都市圏の空港は反対運動や難工事の影響で整備が進まず、増便による収入増が見込めない状況だった。さらに、日本の空港はターミナルと空港設備を別々の主体が運営する形が多く、ターミナルの商業施設で得た利益を空港維持費に回せなかった。その結果、1便あたりの使用料を高くせざるを得ず、主要空港の着陸料は高騰した。
2003(平成15)年の世界空港料金ランキング(英国の民間調査機関TRLによる調査)では、関西空港がワースト3位、成田空港がワースト7位となり、アジアでは最高額、世界でもトップクラスの高さだった。また、2000年代の別の報道によると、成田空港でボーイングB747が着陸する際の料金は9500ドルで、ソウル・仁川国際空港(2500ドル弱)の3倍以上だった。
さらに、空港整備に充てられる航空燃料税も1kLあたり2万6000円(沖縄・離島除く)と高く、日本独特の仕組みが航空会社の経営を圧迫した。発着枠が限られているため売上増が見込めず、公租公課の負担も大きく、コスト削減が難しい状況だった。これにより、日本の航空会社の収益性は低下し、競争力を失っていった。
着陸料の高さは航空運賃にも影響し、最終的には利用者全体の負担となった。特に地方空港発着の国際線は、低コストで広範なネットワークを持つ仁川国際空港を拠点とする大韓航空などに市場を奪われ、日本の航空会社の存在感は薄れていった。
さらに、公租公課の高さが新規参入の障壁となり、新しい航空会社はほとんど誕生しなかった。諸外国では2000年代までに格安航空会社(LCC)が台頭していたが、日本では参入が難しく、国内線に至っては2010年代までLCCの存在がなかった。
本来、航空業界の発展を支えるために生まれた空港整備特別会計だったが、結果的に各種料金の高騰を招き、1990年代以降の日本経済の停滞とともに、航空業界の発展を阻害する要因になってしまった。