成田空港と並ぶ最悪事例? 「ベルリン・ブランデンブルク空港」の開港が9年延期された、目も当てられぬ理由
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ベルリン・ブランデンブルク国際空港の開港は、当初の予定から9年遅れ、工事費用が3倍に膨らむ結果となった。これには設計変更や過剰な要求が影響しており、インフラ計画の失敗を浮き彫りにした。この長期的な課題は、ドイツの公共事業にどんな教訓を与えたのだろうか。
開港9年遅れの現実

世界中の旅客や貨物の玄関口として、大都市圏には空港が欠かせないインフラだ。その充実度は主要都市の国際競争力を高める要因となっており、実際にドバイやシンガポールでは、大空港が経済発展の源泉のひとつとなっている。ドイツの首都・ベルリンでも、東西冷戦の影響で分かれていた玄関口を統一し、世界中から人々を集める新しい空港を作るプロジェクトが2000年代に始まった。しかし、2011年に開港予定だった新空港・ベルリン・ブランデンブルク国際空港は、数々の欠陥が報じられ、開港の見通しが立たない事態に陥った。
9年の遅れを経て、2020年10月にようやく開港したが、当初ハブ空港として使用される予定だった航空会社はすでに
「撤退」
しており、さらにコロナ禍で需要が急減するという事態にも直面した。
そんな新空港が、なぜ多くの問題を抱えることになったのか。この記事では、その背景と問題点を解説する。